久し振りに履こうと思ったブーツや革靴、パンプスのニオイが気になったりカビが生えてしまったことはありませんか? カビ・ニオイが発生する原因や適切なお手入れの方法を知っていれば防ぐことができますので、靴クリーニングのプロがご紹介いたします。
目次
カビ・ニオイが発生する原因
ブーツや革靴、パンプスからカビやニオイが発生してしまう原因は、2つあります。
①汚れたまま保管・放置している

靴には、土埃、足裏の汗、靴下の繊維くずなどの汚れが付いています。一見キレイに見えても、次の箇所は見逃しがちですので注意が必要です。
・ブーツの内側
・靴底(ソール)
・コバや縫い目、ファスナーなどの隙間
お手入れしないで収納してしまうと、汚れと湿気によってカビやニオイが発生してしまうので、クリーニングしてから片付けるようにしましょう。
②閉鎖された空間に仕舞っている

お気に入りのブーツや奮発して買った靴は、靴箱に大事に仕舞いたくなってしまいますが、カビ・ニオイの原因になってしまいます。収納のしやすさを考えると靴箱は積みやすいのですが、空気の流れが遮断・密閉されて、カビ・ニオイが発生しやすい環境になります。空気が循環しやすいように、箱から出した方が良いです。
カビ・ニオイが発生してしまった場合の応急措置
①カビの除去

不要な布やブラシを使って表面のカビを取り除きます。その際、カビの胞子が空気中に漂うため、ベランダなどの屋外で行ったり、カビの胞子を吸わないようにマスクを付けると安心です。
②除菌
布を水で濡らして絞り、消毒用の除菌アルコールを馴染ませます。ファスナーの内側など、目立たない箇所を拭いて色落ちやシミにならないかを確認してから、カビを拭き取ります。その後、風通しの良い日陰で乾かします。
カビ・ニオイをすみずみまで徹底的に落とす方法
靴表面のカビを拭き取っても、シワや縫い目の間、靴の中まで広がっている可能性があります。また、カビや汗、汚れで雑菌が繁殖して、嫌なニオイを発している場合があります。そのため、カビ・ニオイを徹底的に落としたいなら、靴クリーニング専門店でのメンテナンスがオススメです。専門店では、ブーツ・革靴素材に合わせて洗浄の仕方や洗剤を変えて、すみずみまでキレイにします。
靴専科のブーツ・靴クリーニング

靴専科ではブーツや革靴、パンプスなどの素材に合わせて細かく洗浄方法や洗剤を調整。洗浄後には、安全で除菌力の高いオゾン水ですすぎます。ニオイが気になる場合には、まさにうってつけのクリーニングです。

しっかりすすいだ後、革に潤いを与える専用の美容液に浸して保湿します。

最後に、オゾンが発生する乾燥機でゆっくり乾かしながら、さらに除菌・消臭します。

この工程でほとんどのカビ・ニオイを取り除くことが可能です。
ご家庭でブーツ・革靴の水洗いを推奨しない理由

ご家庭でのお手入れにあたって、水洗いをしたい方もいると思いますが、オススメしておりません。理由としては、安易に水洗いするとシミやヨレ、乾燥・ごわつきが出てしまうからです。洗っているときは気にならなくても、干しているときや乾いた後にこの失敗に気付き、専門店に持ち込まれるケースが数多くあります。
同じような革に見えても、合皮、牛革、山羊や豚、羊など、種類も加工の方法も様々です。プロは素材を見極め、水洗いに使う水の量や洗剤などを調整し、適温で乾かしているので、革を傷めずに洗浄・乾燥することができます。汚れたブーツや革靴をクリーニングしたい場合は、専門店にお任せする方が確実で、仕上がりも抜群にキレイです。
クリーニング後にカビ・ニオイを防ぐ方法
毎日のお手入れは難しくても週に1回程度、簡単にお手入れするとカビ・ニオイの予防になります。
①カビ・ニオイの原因を取り除く

まず、カビ・ニオイの原因になる土埃などの汚れを落とします。ホコリを落とす際は、ホースブラシを使用します。

ブーツ・革靴の内側のつま先に溜まったホコリを、古歯ブラシで掻いて取り除きます。

ホコリや靴下の繊維くず、髪の毛などが出てきました。ペットを飼っている方は、ペットの毛が出てくる場合もあります。

ブラシを使って、靴表面に付いた汚れを落としていきます。

靴の素材がスエードの場合は、スエード用のブラシを使用します。黒ずみなどの汚れは、スエードブラシのゴムの部分に移して取り除き、ハケで毛並みを整えます。

無ければ、古歯ブラシでブラッシングします。その際、スエードの色が濃くなる方向に沿ってブラッシングすると、スエード特有のふんわりとした印象になります。逆に、薄くなる方向に毛並みを整えると、のっぺり・ぺったんこな印象になってしまいます。今回のブーツの場合は、つま先から履き口に向かってブラッシングすると、濃くなりました。

ソールとアッパーの隙間は、ホコリや汚れが溜まりやすいので注意が必要。古歯ブラシやミニブラシで取り除きます。
②靴底(ソール)を除菌する

汚れているのに意外とお手入れされていない箇所が、靴底(ソール)です。靴底は保管中、ずっと床に面しているので空気の通りが悪くて汚れも多いため、カビが生えやすいです。お手入れしないで放置すると、靴底にカビが生えて、そこからアッパーの部分にまで増殖。そこで初めてカビを認識することが多くあります。そのため、定期的に靴底もお手入れしましょう。

除菌する際は、消毒用のアルコールをタオルに付けて靴底を拭いていきます。ヒールの部分や、ゴムの溝も念入りに拭きましょう。
靴の履き方

人は、1日にコップ1杯分の汗をかくと言われています。ブーツ・革靴のカビやニオイを防ぐためには、毎日同じ靴を履くのではなく、複数の靴をローテーションで履くようにしましょう。
収納テクニック
①突っ張り棒で靴底にも風が通るようにする

②靴の形を整えながらニオイ・湿気を取る(即席シューキーパー)
履いた後は、風通しの良い日陰に1~2日ほど置いておくと、余分なニオイ・湿気が取り除けます。その際、シューキーパーを使えば、形を整えながら湿気も吸い取ってくれます。無い場合は、即席シューキーパーを作って代用します。
【ロングブーツの場合】

シューキーパーを入れないと、足首のあたりでくたっと曲がってしまうため、即席シューキーパーの出番です。空の500mlペットボトル2本を底同士合わせてテープで固定。筒状にして清潔なタオルを巻き、両端を輪ゴムで留めます。

これを2本作り、ブーツに入れて使用します。
【ショートブーツの場合】

清潔なタオルをつま先から入れていきます。つま先から甲にかけて1枚、かかとから履き口まで1枚に分けると入れやすいです。
【パンプスなどの場合】

つま先の部分に丸めたキッチンペーパーを詰めます。かかとの部分には、キッチンペーパーを折り畳んであてがい、つま先とかかとの間に割り箸を入れてシワを伸ばします。キッチンペーパーは、タオルでも大丈夫です。余分な湿気を吸い取り、ニオイを軽減してくれます。
まとめ
本格的にブーツなどを履く前に、ぜひ今回のお手入れ方法を試してみてください! ちょっとした工夫で、キレイな状態が長持ちします。また、シーズンに1度は専門店にお願いして、カビやニオイの原因をリセットすると、普段のお手入れがしやすくなります。お気に入りのアイテムをメンテナンスして、日々のコーディネイトを楽しみましょう♪