セールが目の前に迫っていても、気に入ったものは買う。30%OFFがなにさ!50%OFFがどうよ!70%OFFは……そりゃあ、立ち止まってしまうけど。
そのブーツをショップで発見した時、居並ぶ靴の中で神々しい光を放っていた、ように見えた。わたしは導きに身を任せて試着した。デザインが際立ってかわいかった。当然だけどわたしの脚にぴったりだった。ブーツはなにひとつためらうことなく、我が家にやって来た。


秋冬のシーズンをいくつも過ごした。だけど最近、履く機会が減ってきた。わたしの好みが変わってきたからだ。履物は洋服に合わせて選ぶ。洋服の趣味や好みが変わったら、足元も他のものを選びたくなる。あれだけ気に入っていたデザインのブーツを、履かなくなっていた。
ワンシーズン着なかった洋服は二度と着ない、と同じように、靴やブーツも履くことはないのかもしれない。振り返ると、昨シーズン一度も履かずに終わった気がする。というか履かなかった。潔くお別れするべきなのかなぁ。